絵里は、父・正三が遺した家に一人で暮らしています。彼女はめでたく藤村医院の看護師として採用され、就職先での新たな生活を始める準備を整えています。しかし、その日、誰かが訪ねてきて絵里を驚かせます。玄関には誰もおらず、花束だけが置かれているのです。院長の光夫は絵里にとって素敵な大人の男性で、彼との淫らな妄想が絵里の日常に流れ込んでいきます。その夜、絵里が帰宅すると、家に姉・良絵がいました。良絵は長い間家出をし、父が亡くなった時も戻ってこなかったというのに、不倫相手から捨てられてしまいました。絵里にはため息が漏れます。翌日、弁当を手に帰宅した絵里の前に急停車する車があります。運転席には中学校時代の同級生・亜弓が座っていました。絵里が夢見ていた「ファンタ」という人物だったのです。亜弓は、「お嬢」とあだ名を付け合い、懐かしむふたり。彼女らの会話の中で、幼馴染みの栄太郎が怪我を心配して駆けつけてくるのです。栄太郎は「ガリ勉」のあだ名で知られていました。亜弓を見送った後、絵里を膝に抱き上げて自転車に乗せた栄太郎は、絵里を病院まで送ります。往診の帰り道、光夫から亜弓が急な腹痛を訴える連絡があり、絵里は彼を待つことにします…。
